山田の日記

外資系消費財メーカーから情報サービス系企業に身を移し平民として働いてる中の人のブログ

上場企業がキュレーションメディアを買収するってどういう事?

本日のエニグモによる4meeeeの買収を受けて少し題の件を考えてみた。
http://thebridge.jp/2015/02/4meee-running-company-rocket-venture-is-ac...

■キュレーションメディアの特徴
キュレーションメディアの特徴とは、クラウドソーシングを活用し低コストで運営するメディアが特徴的。
具体的にその編集コストを下げている要因をまず考える。

〇雑誌企業
雑誌編集の一般的なオペレーションフローはこんな感じ。
・オペレーションフロー
企画案→取材→執筆・デザイン制作→編集(校正)→入稿
・関係者
フリーランス(ライター、クリエイター)、アルバイト、正社員の編集者とかと直接雇用している。

〇All about等の旧来のネットメディア
基本的なオペレーションフローは雑誌企業と変わりないが校正コストや入稿コストが低く、紙面コスト(印刷・配布)がないので、
従来の雑誌社よりも非常に低いコストで提供できるようになった。いわゆるネット企業のリプレイスである。
・オペレーションフロー
企画案→取材→執筆・デザイン制作→編集(校正)→入稿
・関係者
フリーランス(ライター、クリエイター)、アルバイト、正社員の編集者とかと直接的に雇用契約しているのは変わりない。

〇キュレーションメディア
オペレーションフローの簡易化及びクラウドソーシングや編集者などの人材コストを下げて、旧来のメディアとは記事の質が低いものの、
記事の製造量が大きく異なっている。この記事生成フローや人材リソースサーチや大人数マネジメントは大きな肝となると思われる。

・オペレーションフロー
SEOドリブン/ニーズ/キーワードドリブンでの依頼→執筆・デザイン制作→編集(校正)→入稿
・関係者
フリーランス(ライター、クリエイター)をクラウドソーシングで雇用、アルバイトやインターンを編集者にあてる事で記事生成コストを極限まで下げている。

■大手企業はなぜこれらのキュレーションメディアを買うのか?
キュレーションメディアの買収を考える前に、一般的に企業がなぜ買収を実行するのか見ておく。
企業がM&Aする目的は、下記のパターンがある。
1.自社が有しない高度な技術を持つタレント・技術・製品の取り込み
2.売上におけるシナジー効果、コスト面におけるシナジー効果
3.財務力の強化
4.リスク分散
ざっと企業がM&Aを実行する際の要因はこれらが考えられる。
今回のキュレーションメディアとしては、1.2を目的したものであると明言している。

既存のBUYMAに集客導線として4meeeeを置き、BUYMAの拡大を図ることを狙いとしているのではと考えられる。
これはDeNAにおけるMeryとiemoの買収と同じで、自社のビッターズや広告事業を成長させるためのサービスシナジーを期待していると思われる。
http://jp.techcrunch.com/2014/10/01/jp20141001dena-iemo-mery/

■買って今後どうなる?
買収した企業は他社に先行するであるが、課題はやはりPMIになると思われる。
シナジー効果を十分にもたらすためにこれはどのM&Aでも問題になるが大きい。いかに自組織に統合していくかが大きい。

また、買収を行わずに自社でキュレーションメディアの組織を拡大させているのがカカクコムやぐるなびリクルート等も注目したい。
食べログまとめ等のキュレーションメディアと運用及び運営にあたる為のナレッジの蓄積は時間を有するもののやはり大きい。
M&Aにおける先行と自社組織内で構築することが今後どのように影響を与えるかは僕も分からないが、面白い事例である。
http://www.enigmo.co.jp/wp-content/uploads/2015/02/ir_2015.2.10.pdf

■キュレーションメディアの課題
・転換率
転換率の実証はやはり大きな課題になると思われる。
せっかく集客コストを下げたとしてもその集客が換金されるかは別の課題である。

・フローコスト課題の脱却
また、フロー成長は一定の成長で止まると思われる。
CGMと異なり、自社での運営が必要なメディアとなるので、ネイバーまとめの様にユーザー主導型に転換出来ない限り、
一定成長で止まってしまうだろう。継続して自社で記事を管理しなければならないし、無限にユーザーが記事を生成してくれるわけではない。