山田の日記

外資系消費財メーカーから情報サービス系企業に身を移し平民として働いてる中の人のブログ

禁断の広告消去ツールの導入とかを適当に考えてみよう

AppleがIphone6Sと共にリリースしたiOS9で、市場へ大きな影響をもたらす機能を発表した。そう「AD Block」である。

リスティング広告からバナー広告までサファリで閲覧する広告が全てまるっと消えてしまうのである。

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引用:iOS9でヤバいと話題の広告ブロック機能、日本で使うなら「Crystal」より「1Blocker」がヤバい! | ultimate-ez.com

 

こんな感じで広告が消えるのである。

 

ちょっとこの辺をみるとわかりやすい。

kabumatome.doorblog.jp

 

そういえば昔のCMスキップと同じような話な感じ。それよりも重いと思うが。

http://www.jspmi.or.jp/material/3/24/38_3.pdf

 

ちなみにAppランキングでは、既にADブロックアプリが上位に来ているらしく、

多くのユーザーが入れ始めている様である。

 

では、これによってどのような影響をもたらすのか思考してみよう。

 

○ユーザー観点

-高速化

広告が減ることによって、通信量が減少し、より早くWebサービスを楽しむことが出来るとのことである。

-コンテンツフォーカス

ユーザーは自分のしたいことがより早く、より直線的に行動できるようになって、

より自分の見たいコンテンツだけに集中することが出来る様になるのである。

 

○コンテンツ業者観点

-コンテンツ広告収益の減少

広告収益を軸にしている企業は広告の提供量が減少するので、論理的には広告収益が減少する。

-広告減少

広告収益が減少することで、フリーミアムモデルとして良質なコンテンツを提供していた企業の活動に支障を与える。例えばクックパッドや、食べログなどのサービスの広告収益に影響を与えるであろう。

幸い彼らは、有料課金モデルを所持しているので、リスク回避をできるが、広告収益一本足打法の企業にとっては首根っこを押さえられた状態であろう。

無論広告収益がなくなることで、事業活動ができなくなるかもしれない。

 

-コンテンツ減少

広告収益を出せなくなることで、コンテンツ提供をする企業は減少するであろう。

例えばキュレーションメディアを運営する企業は広告収益を命としているので、最悪コンテンツ提供をできなくなるかもしれない。コンテンツが減少するだけでなく、今までよりも悪質なコンテンツが流布かもしれない。

 

事業会社観点

-面の減少

事業会社は、Web広告による一部ユーザーへの接触面を失う。

本来強制的にでも広告を嫌うユーザーに対して広告を出稿できていなかったところができなくなるのである。この分の収益が減少するかもしれない。

-効率化の向上(?)

広告を嫌うユーザーは広告をクリックしないだけでなく、広告を今までも無視してきたかもしれない。そんなユーザーへ広告出稿しない様にすることはパフォーマンスが向上するかもしれない。

しかしながら、テレビCMと同じで、広告を嫌う人に対してもインターネット広告は少なからずその人の欲へ影響を与えるのものではあるが。

 

○経済観点

-ユーザーの行動の高速化と広告出稿の経済メリット

それぞれの観点から見るとポジショントークが発生するので、経済的な観点というマクロ観点から見て、コンテンツフォーカスによって生み出される経済メリットと広告により生まれる経済的なメリットを比較しなければいけない。

 

○広告の意味を改めて考えよう

過去の広告は消費者を楽しませる意味をなしきてたが、インターネットメディアの出現により情報に溢れた。多くの消費者は情報に戸惑い、溺れ、結果として、近年の広告は、邪魔なものとして扱われはじめた。私も広告は第三者によってコントロールされているようではっきり言って嫌いである。

しかしながら、私は広告はそれでも消費者に対し大きな影響をもたらしていると思いますし、資本主義においては大きな意味をなしていると思っている。

京都大学大学院人間・環境学研究科教授の佐伯氏は資本主義に関してこう書いている。

 

「欲望」にかたちをあたえ、そのフロンティアの拡張を方向づけ、その流れを整序するひとつの装置なのである。 

 資本主義は欲望によって成り立っている。

その資本主義の欲望を作り出しているのは、マーケティングという近代が生み出した欲望を生み出すための企業活動である。

そしてそのマーケティングの中でも大きな活動を伴うのが、広告活動である。その広告活動が停められれば、欲望を生むことができなくなる。欲望が見せるフロンティアが見出すことが出来なければ、我々の欲望というフロンティアは消失する。

欲望というフロンティアは資本主義経済を支えてきたので、今回の行動は経済に影響を大きく与えるであろう。

 

無論今回のAppleの発表はインターネット広告に限った話なので、CMやラジオや雑誌などのオルドメディアの広告活動のシュリンクはしない。むしろ彼らの影響力が大きくなるかもしれない。

また、有料アプリの購入を伴う少しハードルの高い行動なので、広告を本当に嫌いな人だけが購入しているかもしれない。

結果として、上記にも書いたが広告代理店側や出稿している事業会社にとっては、インターネット広告の効率化がされるかもしれない。さらには、ユーザー側は通信の高速によって生み出された時間でビジネスが拡大するかもしれない。

 

AppleGoogle等の帝国化する企業の市場の独占行動は今後も益々影響力を増すであろうが、市場全体と未来を鑑みて行動をしていただきたいものである。